Life is very short. TSUKION BLOG

無知と偏見を経験が凌駕する!

長話を切り上げる方法を真剣に考えなければいけない状況に陥ったので考えた

こんな所で立ち話もなんですからってこと

 

美味しいお刺身が食べたくて、デパ地下をウロウロ歩き回って、ようやくお目当てのものを入手した私は、やっぱお刺身にはお吸い物だよね、なんてハマグリ売り場に向かって猛然と歩いていたんだ。

炊飯器のタイマーを入れるの忘れて来たから早く帰らなくちゃ、なんて思いながら。

 そこへ・・・

 

 

「あら~~~!○○くんママ~~~!」

 

へっ?

 

「○○くん」とは、まさに私の息子の名前だ。

しかし「○○くんママ」などとは

息子が幼稚園の時以来使われていない名称だ。

 

ねちっこくてバカデカい声、

なんだか恥ずかしい。

しかも「○○くんママ」って。

私も結構いい歳だ。息子が幼稚園児だったのは何十年も前の話だ。

なにが「○○くんママ」だ。やめてくれ。

周りの人がいぶかしげな目でみているではないか。

 

ねちっこいその声が近づいてくる。親し気な笑顔のその人は確かに見覚えがある。

「お久しぶり~、元気だった~?」などと

お決まりの会話をかわしながら、フル回転で記憶を辿るも

名前は思い出せない。

あー誰だっけ、誰だっけ。

聞いてもいないのに近況を喋り出す、この人は誰だっけ。

 

確か小学校も一緒だったのを思い出してきた。

「リフトアップ」をやったんだって、当時話題になったっけ。

聞きたい。どこリフトアップしたの?と聞きたい。

いやそれはダメだ。失礼だ。

彼女はしゃべり続ける。

ああ、どうしても顎とか耳の後ろに目が行ってしまう。

どこをどう引っ張ってとめてるの。

 

よくよく聞けば、自分ちの犬が、もう老犬になってしまったというようなことを切々と語っている。

 それはまだいいさ。私も犬は好きだ。

腰痛の話。それも許そう。

夢の話・・・?

 

 

どうでもいい。

 

 

もう20分は経っているのだよ。

さっきから 傾かないよう、両手で押し頂くように刺し身を持っている。

手がかったるいのだ。

刺し身の鮮度も気がかりだ。

ああ、そうだ。ご飯も炊けてないんだっけ。

帰りたい。

 

夕方のデパ地下の人込みで立ち話もないだろう。

少しづつ後ずさりしている私に気づいて少し道を開けたらどうなんだ。

ちょっとイライラしてきた、その時。

 

トン!

 

 

 

 

私の肩に誰かがぶつかった。

不安定に、押し頂くように掲げ持っていた刺し身が

弧を描くように

落ちた。

うん。落ちたね。

落ちたそれを無造作に摘み上げるリフトアップ。

さらに傾く刺し身の入ったビニール袋。

 

やめて!

 

 

 

 

こういう時って

どうしたらよかったんですか?

 

 

典型的な日本人体質の私が絞り出す解決策

とまぁ、前置きが長くなりましたので解決策を3つばかりご紹介して終わろうかと思います。

 

1. 腕時計をチラチラ見る。

もうね、珍しくもない方法ですけど。露骨に時間気にしてますよアピールですね。

一番現実的な方法です。気づいてもらえるまで何度でも繰り返せばいいんです。

無神経な相手が傷つくこともありません。

え?腕時計なんて普段してない?

ああ・・・じゃ、もう書いちゃお、時計を。腕に。直に。マッキーとかで。タトゥーでもいいよ。

 

2. スマホに着信があったふりをして離れて行く。

そこそこの演技力が試されますね。けど意外とできますよね。

日常の様々な場面で誰でも時々は演技してますからね。

めんどくさい飲み会断る時とか、夕飯作るのさぼりたくて具合悪いふりする時とか。

ほんと、人の心どこに置き忘れて来たんだっていうくらい演技できてますよね。

大竹しのぶか蒼井優かってね。

樹木希林、市原悦子クラスまで行きたいですよね。

 

3.相槌をうたず遠くを見つめる。

彼女も無言で立ち去ること請け合いです。私自身の良くない噂も流れるかもしれないと言うリスクはあえて背負う覚悟です。

 

4. ハッキリと言う。

「私、新鮮な刺し身を食べたいので、立ち話している時間がありません。

ちなみにどの部分をリフトアップしたんですか?」

 

 

 

 

そんなことがありましたので

刺し身改め、海鮮丼になりました。

ハマグリは買い忘れました。

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